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評価:
夏目 漱石
新潮社
¥ 380
(1952-02)

JUGEMテーマ:読書

私は今自分で自分の心臓を破って、

その血をあなたの顔に浴せかけようとしているのです――。
 

夏目漱石の代表作となる長編小説。友情と恋愛の板ばさみになりながらも結局は友人より、恋人を取ったために罪悪感に苛まれた「先生」からの遺書を通して、明治高等遊民の利己を書く。

この作品は高校の教科書に載っていたんだっけ?忘れてしまった。とにかく、学校の授業で習った記憶はある。だけど、当時はこの作品に魅力を感じられなかった。退屈だった。なぜ有名なのかも分からなかった。しかし、この作品は夏目漱石の代表作という枠を超えてしまっている。誰でも知っている文学作品ではなかろうか。

私が文学に積極的な興味を抱き始めたのは、大学に進学してからだ。それまでは角川ホラー文庫等、流行小説ばかりを追っていた。一旦その熱も下火になり、でもやはり活字離れは出来ず、日本文学に目を向けた。ともなれば、まずはこの作品だ。書店で真っ先に手を取ったのは言うまでもない。

この作品を改めて読んだ時の衝撃は、今でも忘れられない。全身が震えた。おおげさだと笑うかもしれないけど、これはマジ。

この作品は三部編成となっている。一部が先生と私。二部が両親と私。三部が先生と遺書。ここでいう「私」とは、学生である。先生の人柄に惚れこんだ本作の語り手であり、視点である。私たち読み手は、この「私」である学生を介して、主人公である「先生」を覗き見ることになる。この作品の特徴としては、先ず持ってして、「先生」がいかに魅力的なのかということ。そして、「先生」のことを知りたくて堪らない「私」なのだが、物語が進行するにつれ、「先生」との物理的な距離が離れていってしまうことである。一部では二人はよく会話している。二部では「私」が、自分の憧れである「先生」とはおよそ対照的な自らの父との物語であるが、その中で「先生」との手紙のやり取りがある。この時点で、「私」は「先生」と二度と会えなくなるのではないかと悟ることになる。「父」が危篤状態になった矢先の出来事であった。つまり、「私」は両極端な「先生」と「父」の二人を失いかける事態に直面した。そして面白いのは「先生と遺書」である。一部まるまるが「先生」からの手紙だけで構成されているのだ。つまり、視点は「私」であったはずが、急に「先生」の手紙の文面という二人称視点へと変化するのである。ここで、「私」という存在を読み手は忘れかけ、まるで「先生」から直接語りかけられているかのような錯覚に陥る。

「先生」は親友と恋人との間に板ばさみとなり、結果、悲劇を生んだ。そのほんの一片に、「私」は関わってしまった。それなのに、「先生」の抱える苦しみは深い。遺書が開始されてすぐ、「先生」は書いている。あまりに素晴らしい文章だが、ちょっと書かせてもらおう。ネタバレになるので、まだ読んでない方はご遠慮ください。

貴方は現代の思想問題に就いて、よく私に議論を向けた事を記憶しているでしょう。私のそれに対する態度もよく解っているでしょう。私はあなたの意見を軽蔑しなかったけれども、決して尊敬を払い得る程度にはなれなかった。あなたの考えには何等の背景もなかったし、あなたは自分の過去を有つには余りに若過ぎたからです。私は時々笑った。あなたは物足なそうな顔をちょいちょい私に見せた。その極あなたは私の過去を絵巻物のように、あなたの前に展開してくれと逼った。私はその時心のうちで、始めて貴方を尊敬した。あなたが無遠慮に私の腹の中から、或生きたものを捕まえようという決心を見せたからです。私の心臓を立ち割って、温かく流れる血潮を啜ろうとしたからです。その時私はまだ生きていた。死ぬのが厭であった。それで他日を約して、あなたの要求を斥けてしまった。私は今自分で自分の心臓を破って、その血をあなたの顔に浴せかけようとしているのです。私の鼓動が停った時、あなたの胸に新らしい命が宿る事が出来るなら満足です。

ここを皮切りに、「先生」のいわゆる告白が始まる。どうだろう。この文章。夏目文学の中でも特に秀逸な文章ではなかろうか。ここを読んだ瞬間、本当に震えた。(本当です)人の内面を深く抉るような文章。すごすぎる!

まだ読んでいないという方。今すぐ読みたくなった方。もしくは、読みたいけどお金がないという方。サイト(PC推奨)へいってみてください。全て読めます。

自己満足的評価 ★★★★★





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